メジャー「ハッキング事件」の陰に強豪の“何でもやる”精神

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 このシステムの凄いところは入力項目が細分化されている点だ。投手対打者の勝負には、さまざまな条件が加わる。試合序盤の気楽な場面か、終盤のプレッシャーがかかる場面か。デーゲームかナイターか、天然芝か人工芝か。刻一刻と変化する状況をタグ付けしながら膨大なビデオクリップを作成し続けた。

 当時、同スペックの高性能マシンを導入していたのはジャイアンツ、カージナルス、ヤンキース、ブルワーズの計4球団だった。そのうちブルワーズを除く3球団がその年のプレーオフに駒を進めたことから、ビデオコーチ・システムは大きな話題となった。

 メジャーは力と力の勝負といわれるが、その前提にはやるべきことは何でもやる徹底した姿勢がある。02年のジャイアンツはリーグ優勝、カージナルスは現在、メジャー最高勝率をマークしている。もちろん他人のデータを盗用するようなハッキング行為はご法度だが。

(スポカルラボ・小島克典)

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