著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

「帰化?全然悩まなかった。ハワイのお父さんとの電話は1,2分で終わっちゃったよ」

公開日: 更新日:

「25歳になる前、大関になったちょっと後に帰化した」と言う武蔵川親方。国籍のことは微妙な問題ですよね?と聞くとあっさり「そんなことないよ。全然悩まなかった」と言う。異国で働いて生きていくのは大変なこと。しかも彼が属しているのは日本の伝統・文化を守る相撲界。さぞや苦労しているだろうと水を向けても、「大変と思ってないもん」と笑うのだ。

「大関とか横綱は看板力士。だから私は協会のために帰化した。大関や横綱になる人は日本国籍じゃなきゃいけない……それは昔から言われてることだと先代(元横綱三重ノ海)から教えられて、『はい』と言ったよ。全然悩まなかった。ハワイのお父さんに電話したら、『おまえのためなんだから、いいよ。仕事のためなら、やりなさい』と言ってくれた。お父さんはいつも『いつか私は居なくなるんだから』と言って、息子の将来を考えてくれた人だったからね。『国籍は変わっても親は親、息子は息子で、それは変わらない』と言ってた。電話は1、2分で終わっちゃったよ」

 国際化した世の中で、日本に来て働く人、日本から海外に出ていって働く人……さまざまな生き方がある。日本に住んでいる我々は、日本で働く外国人を見て、大変だろうなとは思うが、だからといって、手を差し伸べて助けることはめったにない。それが現実だが、武蔵川親方はこう言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず