著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

「白鵬に『日本の父は大鵬さん』と言われちゃったら師匠は寂しいよ

公開日: 更新日:

 相撲の世界での師弟関係は、親子同然。だから白鵬が亡くなった大鵬のことを「日本の父」と呼ぶのを耳にすると、何とも言えない違和感があった。白鵬が日本の父と呼ぶべきは宮城野親方のはずだからだ。先代のことを「おやじ」と呼ぶ武蔵川親方にそれを聞いてみた。

「大鵬さんを日本の父?リップサービスだよ、あれは(笑い)。しかも白鵬は最初、貴乃花のファンだと言ってて、貴乃花のマネしてた。そのあと双葉山と言い出して、今は大鵬……コロコロ変えて、ダメだよ(笑い)。

 日本の父は自分の師匠。その名前を言えばいいんだけどね。師匠も白鵬に『日本の父は大鵬さん』と言われちゃったら寂しいだろう。寂しく思わなきゃ、おかしいよ。

 誰に拾われて、誰のおかげで今、相撲取ってるんだ? ということ。最初に日本に来たとき、あの親方に拾われてなかったら白鵬はモンゴルに帰ってたはず。そういうことを忘れちゃいけない。そこだよ」

 親と一緒で、師匠はひとり。それをコロコロと言い換えること自体、師匠をないがしろにしている証拠ではないか。

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