渡辺勘郎
著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

師匠は師匠。師匠の言うことを聞けなければ辞めればいい

公開日: 更新日:

 初場所で、亡くなった大鵬の最多優勝記録を更新する33回目の優勝を全勝で飾った白鵬は、千秋楽の翌朝恒例の一夜明け会見で「疑惑の相撲がひとつあるんですよ」と切り出すと、取り直しになった13日目の稀勢の里戦について「帰ってビデオを見た。子供が見ても分かるような相撲。なぜ取り直しになったのか」と審判部の判定を批判した。

 日本相撲協会は即座に反論し、白鵬の右足甲が先に土俵についていた写真もあり、批判は一蹴され、師匠の宮城野親方が北の湖理事長と審判部長の伊勢ケ浜親方に謝罪したが、当の白鵬はしばらくだんまりを続け、正式な謝罪をしないまま今に至る。

「謝り方を間違えてるよ。本当は紋付きはかま着て、師匠と一緒に協会に謝りに行かないとダメ。あれだけ世間を騒がせたんだから、そこまでしないとダメだよ。テレビのバラエティーで言うなんて、誰が見てもおかしな話でしょ。私は白鵬を好きでも嫌いでも何でもないけど、筋を通すタイプだから、ただ、ちゃんとやって欲しいだけ。誰が後ろにいるのか分からないけど、そういうところをちゃんと教えないとダメだよ」

 一連の愚かな言動は横綱としてあるまじき行為だが、気になるのは宮城野親方との関係だ。親方は白鵬を怒ったのだろうか? 白鵬は親方に謝ったのか? 親子同然といわれる相撲部屋の師弟関係だが、この師弟には、どうも、それが感じられない。ベテランの相撲記者に聞くと「あの師匠は、白鵬のファンなんですよ」という言い方で、この師弟の不自然な関係を表現していた……。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異