マラソンに距離延長「50km」案 日本人選手には損か得か

公開日: 更新日:

「冗談じゃないよ!」と、声を荒らげている選手は多いだろう。

 12日の共同通信によれば、女子マラソンの世界記録保持者のポーラ・ラドクリフ(42・英国=03年ロンドン2時間15分25秒)が11日、英国陸連が同日公表したクリーンな競技を守る14項目の宣言で、過去の世界記録を見直す提案をしたことに反対であることを強調した。

 英国陸連のワーナー会長は、ロシアの組織的なドーピングや汚職スキャンダルなどを受け、「すべての世界記録は新しい記録に設定し直す必要がある」と述べ、例えばマラソンの距離を現在の42.195キロから50キロに変更し、過去の記録と区別するアイデアを提出し、国際陸連に対応を求めているという。

 50キロのタイムが新たな世界記録になれば、疑惑の世界記録とは区別できる。ラドクリフ以外にも「私の世界記録は実力で出したもの」という選手は多いものの、薬物問題はロシアだけでなく、米国やジャマイカ、ケニアなどの陸上王国にもある。英国陸連のアイデアは一考する価値がある。

 だが、実際に走る選手にとっては歓迎できないプランだろう。マラソンで一番苦しいのは「30キロ過ぎから」といわれている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘