それは独自技術の結晶…パラ五輪選手を支える“相棒”たち

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 車いすマラソンで金メダルを狙う洞ノ上浩太さん(42)は「レーサー」と呼ばれる競技車を操る。車体はフルカーボン製の特注品で重さは約10キロ。1台約230万円と高価だが、振動吸収能力に優れ、ガタガタ道でも推進力が働くという。しかし、この競技ではそれ以上に重要な道具が勝敗を分ける。手に付ける「グローブ」である。

■ミリ単位の調整が不可欠

「グローブというと、布やゴム製のものを想像しがちですが、全くの別物です。私はアクアプラストという粒状の特殊樹脂をお湯で溶かしながら自分の手に合わせて作りました。石膏のように固いのが特徴で、このグローブでタイヤを叩く感じで回すのです。グローブが自分の手に完璧に合わないと、漕ぐ力が車輪に100%伝わらない。この調整は本当にミリ単位。そんな事情もあって、各選手ともレーサーの調整より、グローブ作りに試行錯誤するのです」

 タンデム(2人乗り自転車)競技でメダルを目指す鹿沼由里恵さん(34)も“愛車”へのこだわりは強い。車体はカーボン製でフレームは重さ約4キロ。一般的な自転車(約10キロ)に比べてかなり軽量化されている。もっとも、この競技も自転車を軽量化すれば勝てるほど単純な競技ではない。

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