創部3年目で甲子園へ 北北海道制した「クラーク」の正体

公開日: 更新日:

 創部3年目の快挙である。21日、北北海道大会決勝に臨んだ通信制のクラーク記念国際が3─0で滝川西を下し、初の甲子園出場を決めた。

 14年3月に閉校した駒大岩見沢を春夏合わせて12回甲子園に導いた佐々木啓司監督(60)が同年4月に就任。駒大岩見沢時代、「ヒグマ打線」をつくり上げた佐々木監督が掲げる打撃理論がある。「内角、真ん中、外角」「高め、真ん中、低め」それぞれのコースで自分のフォームをつくらせる「スリーライン打法」である。これを新天地でも継続した。スポーツライターの美山和也氏が言う。

「駒大岩見沢時代に取材した佐々木監督の打撃指導で印象深かったのは、ボール2個分外を打つ練習を繰り返していたこと。外角のスライダー全盛時代に、ボールゾーンに曲げられても、見送るのではなく、右打者なら右手を使ってヘッドを返さずに逆方向へはじき返す。監督の口癖は『とにかく外を打て』でした」

 学校側も全面バックアップした。閉校となった中学校の体育館を改築し、同時に7、8カ所で打撃練習ができる広々とした室内練習場、スポーツジム顔負けのトレーニング施設、寮、野球部専用の62人乗りのバスなどの施設を背景に選手を強化。甲子園と同サイズの新グラウンドは来月完成する。通信制高校の夏の甲子園出場は全国で初となるが、北海道本校の野球部員は全日型のスポーツコースに在籍している。

 佐々木監督は試合後、甲子園では次男で部長の達也氏(32)に監督を譲り、自身は部長としてこれまで通り指導を行う意向を明らかにした。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘