横審が稀勢の里を推薦…急ぐ横綱昇進は実力不信の裏返し

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 21日に自身初優勝を決めた大関稀勢の里(30)。千秋楽の22日は結びの一番で横綱白鵬を破り、14勝1敗で夢にまで見た賜杯を抱いた。

 初めて受ける優勝インタビューでは、「本当にいろいろな人の支えがあって、ここまでできたと思っている」と話すと、切れ長の目にうっすらと涙。

「一日一番の気持ちで集中してやったからです……」

 と嗚咽を漏らした。

 大関昇進後、31場所での初優勝は歴代トップのスロー記録。それだけに稀勢の里も感極まったのだろうが、だから横綱に昇進させていいかといえば、話は別だ。

 稀勢の里は先場所12勝3敗の優勝次点とはいえ、終盤に平幕に敗れ優勝レースから脱落している。今場所も2横綱が途中休場し、大関陣も琴奨菊が関脇に陥落するなど上位陣が総崩れ。揚げ句、1勝は豪栄道戦(13日目)での不戦勝だ。稀勢の里に責任があるわけではないが、この2場所を見る限り、「横綱にふさわしい」と判断するには早計だ。

「横綱昇進」の気炎を上げていたのは相撲協会だ。二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は、「去年最多勝だし、(審判部から)異論はなかった。逆に下(若い親方衆)から、上げてくれ、という声が出ていた」と千秋楽が終わる前から、異例のバックアップ。

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