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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

今季の錦織圭 度重なる故障の根底に“フェデラー現象”

公開日: 更新日:

 錦織圭のマスターズ開幕2戦は、ともにベスト8に終わった。マイアミ・オープンで敗れた相手、ファビオ・フォニーニ(29)はトリッキーなテクニシャンで嫌な相手だったが、敗因はケガだ。左膝に続き、利き手の手首まで痛めてマスターズは戦えない。

 錦織は故障が多い。足先から膝、腰、背中、腹筋、肘、手首……故障で棄権しなかったのはプロデビューした2007年だけ。今季はまだ棄権こそないが、ここから体力勝負のクレーコートシーズンだけに気掛かりだ。

 休養や基礎体力の強化が指摘される。が、信頼するトレーナーを抱え、27歳という年齢を考えれば現実的ではない。伊達公子は、ツアーに故障を抱えていない選手はいないと話す。プロ競技は体力と素質の個人差をどう組み合わせ、いかに金や名誉に結びつけるかの戦略勝負。ロジャー・フェデラーは最近、自身が運営する基金に触れこんなメッセージを発した。

テニスも基金の運営も、機能的なチームワーク抜きに成功はない」

 故障は錦織だけではない。マイアミではアンディ・マリー(29)、ノバク・ジョコビッチ(29)、ミロシュ・ラオニッチ(26)と世界ランクの上位3人が欠場または棄権。マリーやジョコビッチは既に十分な果実をつかんでいるから話は違うのだが、故障多発の背景を押さえておく必要があるだろう。

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