「誰もが東京五輪目指すわけでは」 瀬古氏に反論した理由

公開日: 更新日:

「私なんか、日刊ゲンダイさんにはしょっちゅうイジメられて、そういう記事を見ると『ああ、また……』と思っています」

 のっけから、らしさがあふれていた。企業に属さない「最強の市民ランナー」として第一線を走る川内優輝(30)は、これまでも歯に衣着せぬ発言で日本マラソン界に一石を投じてきた。代表に選ばれた今夏の世界選手権(ロンドン=8月4日開幕)を「これが最後の代表」と位置付ける川内に、マラソン界の現状、課題を大いに語ってもらった。

■「戦争みたいな感じすらある」

 今夏のロンドン世界選手権国内選考会を兼ねた昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップとなる3位でゴール(2時間9分11秒)。代表キップを手にした。

 その後の今年3月の記者会見で川内は、日本陸連の瀬古利彦長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)に「東京五輪までやってほしい」と要望されると、強い口調で「誰もが東京五輪のためにやっているわけではありません!」と反論した。この言葉の真意とは。

「みんながみんな、東京五輪に向かっていくというのは、おかしいと思うんです。それぞれ年齢も違うわけですから、30代後半の人は3年後には40歳くらいだし、高校生の子がいくら東京を目指しても大学生。でも、『とりあえず東京が目標と言わなければいけない』という雰囲気が嫌なんです。ちょっと戦争中みたいな感じすらある。東京五輪という大義があって、誰もがそこに向かっていかなければいけない。少しでも横道にそれたら『おまえは非国民だ』みたいな雰囲気が嫌で、瀬古さんにああやって言ったんです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも