全米オープンゴルフ 「パブリックコース」開催増の裏事情

公開日: 更新日:

 全米ゴルフ協会(USGA)の最大の収入源は、テレビ放映権料だ。USGAはフォックス社と12年契約で11億ドル、年間9300万ドル、日本円にすれば年間100億円を超える放映権契約を結んでいる。これには女子オープンや全米アマなど、USGAが主催する13試合の放映権が含まれているのだが、やはり目玉は全米オープンだ。視聴者がゴルフに興味を持っても、一部の金持ちしか入会できない名門コースばかりが舞台では視聴率が稼げない。

 かつてアメリカではプライベート・メンバーシップコースとパブリックコースとの割合が半々といわれていた。昨今では、メンバーコースの割合が全体の3分の1から4分の1近くまで減った。

 USGAを支えているのは基本的にはメンバーコースだ。理事も役員も名門クラブから選ばれることが多いものの、メンバーコースが減少し、ゴルフ人口も激減している昨今、パブリックコースを利用するゴルファーに目を向けない限り、USGAが唱える「ゴルフの普及」も、ただのお題目で終わってしまう。

 08年トーリーパインズGC、09年ベスページ、15年チェンバーズ・ベイ、そして今年がエリンヒルズと、近年はパブリックコースが会場に選ばれている裏には、このような理由があるのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗