場所直前に風邪…稀勢の里に「さっさと引退を」と苦言

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横綱としての自覚、責任感が何も感じられない。こんな横綱、見たことがありませんよ」

 評論家の中澤潔氏が呆れ果てるのも無理はない。

 6日、横綱稀勢の里(31)が風邪でダウン。本来赴くはずだった出稽古は中止になり、7日に行われる二所ノ関一門の連合稽古は、当日の体調を見て判断するという。

 稀勢の里はもっか6場所連続休場中。「次に出る場所で覚悟を決める」と決意し、13日が初日の5月場所には出場する気満々だった。それがどうだ。途中参加した春巡業中はのんびりとスロー調整。3日の稽古総見では鶴竜栃ノ心に手も足も出なかった。揚げ句、進退をかけるはずの場所直前になって風邪では、体調管理を怠っていたと非難されても文句は言えないだろう。

「体にしまりがなく、太りすぎ。稽古総見での負け方も、新入幕の力士かと思ったくらいだった」と、中澤氏が続ける。

「昔、吉葉山という横綱がいた。昇進後は優勝できずに引退するのだが、晩年は狂ったかのように稽古をし、剣道家にまでアドバイスを求めたのか、土俵で竹刀を振り回していたほどです。『ワラにすがってでも何とかしなければ』というあせり、必死さがあった。そうしたものが、稀勢の里からは何も見えない。どうせ5月場所は出ないでしょうけど、さっさと引退しても惜しくない。その時はせめて、引退するときは奇麗だったなあ、というイメージを残してほしいものです」

 弱い横綱がいなくなったところで誰も困らない。

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