著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

もはや毒も華もなし…巨人が直面する「盟主の終焉」

公開日: 更新日:

■地味に弱い東京ローカルの球団

 しかし、今季は不思議なくらい巨人の不振に心がときめかない。昨年の13連敗中は「史上最弱の巨人」などとマスコミに騒がれているのを見るたびに、1990年代の阪神暗黒時代を知る虎党としては爆笑してやりたいくらいの衝動に駆られたものだが、今季の巨人に関しては「ああ、なんか負けてるね」くらいの印象しかない。

 そんなことよりも広島の強さと華に目がくらむばかりだ。

 実際、マスコミもしかりだろう。昨年のような見出しになる派手な連敗もなければスキャンダルもない。ただ普通に「巨人が弱い」という状態だからか、今季はそれを大袈裟に嘆き、批判し、さも盟主の終焉みたいに一大事化するような報道はあまり見られない。まるで巨人が12分の1の普通の球団、地味に弱い東京ローカルの一チームになったかのような、そんな感じがするわけだ。

 そう考えると、これこそが真の意味での「盟主の終焉」ではないか。大型連敗やBクラス転落がニュースとして目立っているうちは、世間が巨人に対してまだまだ横綱的な視線を維持しているということだ。負けが騒がれなくなって初めて巨人が巨人でなくなる、平幕の巨人が誕生するのだ。

 虎党の私はそんな現在の巨人を淡泊な思いで見つめている。巨人は本当に変わったと思う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち