ソフトB1位・甲斐野央がかなえた「父のもうひとつの夢」

公開日: 更新日:

「とにかくじっとしていない子で、いつも野球をして遊んでいました。ただ、私はデザイン関係の商社、妻の映子は市役所勤めの共働き。お兄ちゃん2人は年が離れているでしょう。だから、ティー打撃ができるネットとティーマシンを庭に用意してやると、放課後はずっと打ち込んでいましたよ。あとは、近所の工場で壁当て。当時はあの壁がキャッチボールの相手でした。ボールがすっぽ抜けて工場倉庫のガラスを割ったことも何度あったか……。工場は『またか!』という反応でした(笑い)」

■性格は天然

 長男と同じ東洋大姫路に進んだ甲斐野は、2年夏の県大会決勝進出が最高成績。夢かなわず、東洋大に進学した。東洋大の高橋前監督が言う。

「高校では三塁と投手だったので、入学直後は主に野手起用。3年になってから本格的にリリーフで投げるようになった。本当は先発で大きく育てたかったんですが……。性格は天然で、どこかズレたところのある子。よく僕に『集中しないでどこ見てんだ!』と怒られてました(笑い)」

 甲斐野がドラフト候補として名前が挙がり始めたのは3年の秋季リーグ。5勝1敗、防御率2・06の成績を残し、ベストナインと最優秀投手に選ばれた。その時、父にかけたのが冒頭の言葉だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い