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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

イチローが来年から年平均4.4億円を手にする“カラクリ”は

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 ディファード・ペイメントによるメリットが一番大きいのは、設定された金利が高く、かつ、支払いまでの据え置き期間が長い選手だ。その代表格がイチローである。

 イチローはマリナーズと08~12年の5年間の年俸8500万ドル(94億円)のうち2500万ドル(28億円)を引退の翌年から15回払い(推定)で受け取る契約を交わしている。2500万ドルを15分割すると年額は167万ドル(1・8億円)だが、イチローはこれに5・5%の複利が付いた形で20年から受け取ることになるので、受給額は年平均で400万ドル(4・4億円)に膨らむ。イチローは引退しても60歳前後まで毎年、メジャーリーグの平均年俸に相当する額を受け取ることになるのだ。

 選手が球団と交わしたディファード・ペイメント契約は、球団に対する債権証書と同じ意味を持つので、税の滞納、養育費の未払い、借金の未返済などがあった場合は、差し押さえの対象にもなる。元メッツの主砲ストロベリーは、90年の年俸の一部である180万ドルを5・1%の利息付きで04年から30年間の分割払いで受け取ることになっていたが、国税を滞納。15年にはメッツと交わしたディファード・ペイメントの契約を、内国歳入庁(日本の国税庁に相当)に差し押さえられ、競売に掛けられる屈辱を味わった。

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