生き証人3人が語る 平成5年「ドーハの悲劇」の真実<後編>

公開日: 更新日:

 土壇場で同点に追い付かれてしまったオフト日本は、ライバルの韓国と「2勝1敗2分け・勝ち点6」で並び、最後の最後にアメリカW杯行きの切符を手にしたのは、得失点差で日本を上回った韓国だった。

都並「ベンチの右端で試合が2―1のまま終わるのを待ち構えていたのですが、あの瞬間に時が止まってしまった感覚でした。ゴール裏のサポーターに挨拶に行ったのですが、自分ひとりで行ったのか、それともチームで行ったのか、全く覚えていません。ピッチの上にへたり込んでいるラモスさんの背中の背番号10がとても印象に残っています。あのドーハの悲劇というのは、いろいろな意味で日本サッカーを大きく成長させてくれたと思います。そもそもケガ人の僕がチームにいてはダメなんです。あの時代、そうはっきり言える人がいなかったんです。ケガをしているけど何とかなるだろう、各ポジションのバックアップが薄いけど何とかなるだろう、日本代表は強いからW杯に行けるだろう――。昭和から平成にかけた時期、そんなアバウトな感覚が残っていました。ドーハの悲劇を経験した1993年というのは、日本サッカーの大きな転換期となりました。ドーハの悲劇の戦犯である自分が生き証人として、今後も語っていきたいと思います」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?