生き証人3人が語る 平成5年「ドーハの悲劇」の真実<後編>

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 不動の左SB都並が1993年10月のアメリカW杯最終予選でプレーすることは不可能――。そのことを知っているのはオフト監督、清雲コーチらスタッフに主将のDF柱谷哲二、そして都並本人だけだった。最初に代役候補として招集されたのが、ジェフ市原所属のDF江尻篤彦だった。同年9月のスペイン合宿に帯同した江尻は、宿舎で都並と相部屋となった。もちろん「オフト日本の左SBについてあれこれ伝授してほしいというオフト監督の意図だった」(都並)。しかし、江尻は合宿最初の練習試合に先発したが、後半からセンターバック(CB)が本職のDF勝矢寿延(横浜M=当時)が入った。左SBでプレーするのは初めてだった。

■「バックアッパーは江尻が共通認識だった」

六川則夫「江尻さんは守備力を買われての代表入りだったと思いますが、合宿中の練習を撮っていても<ラモスからパスが出ない>ので江尻さん自身、どのタイミングでオーバーラップすればいいのか、中に絞り込めばいいのか、分からなくなってピッチ上で孤立無援となり、日に日に表情から生気が失われていくのが、カメラのファインダーを通して分かりました」 

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