ASデュエット惨敗発進…日本ペアに足りない「8cm」の壁
2020年東京五輪でのメダル有力種目が惨敗発進である。
韓国・光州で行われている水泳の世界選手権。アーティスティックスイミング(AS)のデュエット・テクニカルルーティン(TR)決勝で、日本の乾友紀子(28)、吉田萌(24)ペアは92.1116点の4位。ライバルのアナスタシア・サフチュク(23)、マルタ・フェディナ(17)のウクライナペア(92.5847点)の後塵を拝して表彰台を逃した。
昨年のアジア大会(インドネシア)を前に結成したペアは演技の精度を欠いた上に、水中から飛び出した時の高さも足りずに採点が伸びなかった。日本ペアとは対照的にウクライナの2人は粗削りながら、パワフルかつ豪快な演技で、ジャッジの高評価につなげた。
ウクライナ勢は、リオ五輪以降、着実に実力を伸ばしており、中でもデュエットは、18年欧州選手権(英グラスゴー)でロシア勢を抑えて金メダルを獲得。日本のライバルどころか、ロシア、中国の2強を脅かす存在になっている。
身長180センチ近いウクライナの2人(177センチ)に対し、170センチに満たない乾(169センチ)、吉田(168センチ)とは約8センチの差。日本にとって目の上のたんこぶであるウクライナペアは高さがあって、ダイナミックな演技が売り。乾、吉田にとってはウイークポイントである。
上背や見栄えで劣る日本ペアは、東京のデュエットで表彰台を確保するためにも、今の演技を見直してダイナミックさを取り入れるしかない。