サニブラウンに主役奪われ…桐生こっそり海外遠征のナゼ
元日本記録保持者も必死だ。
陸上短距離の桐生祥秀(23)は9日、スイスの国際競技会男子100メートルに出場し、10秒21で5位だった。
桐生は2017年9月に日本人初の9秒台(9秒98)を記録したが、今年6月、米国留学中のサニブラウン(20)が9秒97で日本記録を更新。日本選手権でも100メートルと200メートルの2冠をもっていかれた。ライバルが代表入りを決めた世界陸上(ドーハ・9月27日開幕)の切符は、まだ手にしていない。
桐生は「9月7日時点の世界ランクで日本人上位」なら世界陸上に出られる。現在のランクは11位。サニブラウン(21位)、小池祐貴(22位)、山県亮太(25位)らを抑えて日本勢のトップにいるものの、今のところ桐生と山県までの世界ランクのスコアに大きな開きはない。
小池は桐生と一緒に7月20日開幕のダイヤモンドリーグに出場するし、気胸で日本選手権を欠場した山県の戦列復帰もそう遠くはない。世界ランキングの基になるスコアは記録や順位、大会規模などで異なり、毎週更新される。桐生が日本人には馴染みのないスイスの大会に出たのはそういう事情があるのだが、海外遠征しても平凡な記録で順位も悪ければポイントは稼げない。桐生の焦る気持ちはよく分かる。