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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

セ新記録 近本光司の活躍に見る「小兵大国」阪神の不思議

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 もちろん、私は虎党として近本の活躍を喜ばしく思っているが、阪神びいきの在阪スポーツ紙が1面に堂々と“長嶋超え”などと書くとなんだか恥ずかしくなり、さらには申し訳ない気持ちにまでなってしまう。そこは是々非々でいきたい。

 とはいえ、若手育成が課題の阪神にとって、近本の出現は間違いなく光明だ。小柄で俊足のセンター、さらには盗塁王と新人王のダブル受賞も視野に入っていることから(新人王はヤクルト村上宗隆が強敵だが)、多くの虎党は往年のレッドスター・赤星憲広を思い浮かべることだろう。

 また、2016年のルーキー・高山俊の活躍も記憶に新しい。当時の高山も近本や赤星と同じ外野手として、球団の新人最多安打数記録を更新する136安打(打率.275)を放ち、セ・リーグ新人王に輝いた。さらに赤星以前にまでさかのぼると、98年に2リーグ制以降のNPB新人最高打率となる・327を記録した坪井智哉が思い出される。坪井もまた、先述の3人と同じ左打ちの外野手で、典型的なアベレージヒッターだった。

 昔から阪神は和製大砲の発掘育成が課題とされており、確かに真の意味での生え抜き4番打者となると、88年に引退した掛布雅之以来30年以上も出てきていない。しかし、その一方で、いわゆる小兵タイプの野手は次々に優れ者が現れるから不思議だ。前に挙げた選手以外にも、現役では同じくルーキーの木浪聖也がおり、赤星の時代には藤本敦士がいて、それより前には元監督の和田豊がいた。ほんと、小兵ならうじゃうじゃいた。

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