永田洋光
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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」(洋泉社)などがある。

南アに“ジェイミー流”で屈辱ノートライ W杯4強逃した背景

公開日: 更新日:

 原因は世界最強と言われる南アの防御対策だ。

 たとえば14分。

 日本は福岡堅樹を走らせて大きなチャンスをつくり、一気にゴール前に攻め込んだが、サポートが薄くなったところで南アにボールを封じられて反則を取られる。グループリーグで通用した戦い方が通じなかったのだ。

 日本もあらかじめそうしたリスクを織り込んでいたからこそ、立ち上がりから手間をかけず外にボールを運ぼうとしたのだろうが、決勝トーナメントに入って一気にギアを上げた南アは、日本の選手からボールを奪うことに力を集中して、日本に形をつくらせなかった。

 特に後半は、これがことごとく成功し、日本はチャンスらしいチャンスをつくれなかった。セットプレーでも日本対策は万全で、これまで日本が90%以上の成功率を誇ったラインアウトは大幅に獲得率が低下。スクラムも、前半に一度だけ日本が南アから反則を取った場面を除けば、ずっと劣勢を強いられた。

 付け焼き刃で早くボールを外に運んでも、頼みのセットプレーを起点に反撃しようとしても、南アは、打つ手をすべて読み切ったかのように対応して日本を追い詰めたのである。

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