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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

南アに“ジェイミー流”で屈辱ノートライ W杯4強逃した背景

公開日: 更新日:

■ジョセフHCの課題と問題

 この、苦しい選択を迫られた日本と、正面からの防御に集中した南アとの差が、11月2日の決勝戦に照準を合わせて大会に乗り込んだチームと、初めて8強に残ったチームの間に横たわる、高い「壁」なのだ。

 しかし、ベスト4という夢はついえたが、日本の戦いぶりは十分に称えられるべきだろう。

 ジョセフHCは就任時からこだわった“ジェイミー流”で結果を出せず、今年に入って選手たちを長期間の合宿で鍛え、ボールを継続する戦い方にシフトチェンジした。この転換が功を奏して日本中を熱狂させた快進撃が生まれたが、それが可能だったのは、日本に、パスでボールをつなぐ伝統が存在したからだ。こうした土台があったからこそ、フィジカルやセットプレーで負けなければ、強豪を立て続けに破ることができた。

 そして、相対的に小柄な日本代表が懸命にボールをつなぎ、ひたむきにサポートに走るさまに、多くの国民が心を打たれたのである。

 さて、続投が濃厚なジョセフHCは、「4強」が目標となる4年後のフランス大会に向けて、日本代表をどう強化するのか。本来、彼が志向する「フィフティー・フィフティー」のプレーを磨くべく舵を切るのか。それとも成果を残した“日本流”を見つめ直して強化をするのか。

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