「看板は全て隠せ」五輪野球会場ハマスタにIOCが無理難題

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 来夏の東京五輪では野球ソフトボールが2008年の北京大会以来、3大会ぶりに実施競技に復活する。金メダルが至上命令とされる野球のメイン会場は、DeNAが本拠地とする横浜スタジアムだが関係者たちが今も頭を抱える難問が浮上している。

 五輪の競技施設にはIOC(国際オリンピック委員会)の五輪マーク、開催都市のシンボルマーク以外の商標や広告が認められていない。そのため、グラウンドの内外にあふれている企業の看板、広告はペンキで塗りつぶしたり、布で覆って隠さなくてはいけない。96年のアトランタ大会でブレーブス本拠地のフルトン・カウンティ・スタジアム(当時)もそうだった。

「それは当然のこととして、スタジアムや関係者が困っているのは、球場の外に乱立するビルに設置されている無数の看板広告に関しても同様の措置をとるよう、IOCや組織委から言われているからです。テレビ中継の際、ホームランやファウルをカメラが追った時に球場の外の看板が映り込む。それもNGだというのです。そんなものまで布で覆うとなれば大変な作業になるし、第一、球場の外のビルに看板を出している広告主にとっては、五輪もIOCもなにも関係ありませんからね。もうむちゃくちゃですよ」(球場関係者)

 現実問題として、ビルの看板まで“消す”のは無理がある。東京五輪の野球中継は、高く上がった打球をカメラが追わない、おかしな放送になるかもしれない。

【連載】2019年スポーツ界「忖度」で埋もれたアノ話

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