天才と呼ばれた高橋由伸 3年の苦しい監督生活に残る無念
東京六大学23本塁打のリーグ記録を引っ提げて慶大の高橋由伸が、逆指名で巨人に入ってきた。
1998年、最初の春のキャンプ。由伸が衝撃を受けたのが、松井秀の引っ張った打球、清原の逆方向の打球だったそうだ。「飛距離は2人にかなわない。同じような方向性ではダメだ」と広角打法を心がけるようになったという。
共にクリーンアップを張った松井秀、清原と比べ、圧倒的な体格ではないものの、子供の頃から父親に渡された長い竹の棒を振っていたため、肘の入れ方がうまく、バットのヘッドが使える。プロ入り後も長い棒を使った練習を取り入れていた。
由伸はなぜ「天才」といわれるのか。解説する。
センターから逆方向への意識が強く、洞察力、観察力にたけている。早めに始動し、自分の間合いで待てる。打ち方は、バットをヘルメット付近の上段に構え、一度肩の辺りにグリップを落とす。そして右足を高く上げる。ブレが大きいにもかかわらず、ミート率が高い。これは下半身から上半身への連動がうまいため。腕を畳んでインサイドもさばける。