電光石火の相撲で朝乃山を撃破 白鵬が“打撃技”封印のワケ

公開日: 更新日:

 ヒジや張り手を振り回していた昨日までとは、まるで別人だ。

 結びの一番で朝乃山(26)を下し、2敗をキープした横綱白鵬(35)。前日の正代戦は、張り手にこだわるあまり自滅。テレビの前のファンも、今日はどんな手を使うのか? と興味津々だっただろう。

 それが意外にも、正攻法の速攻相撲。電光石火の鋭い出足で右を差すと、左手をおっつけて朝乃山の右差しを封じる入念さ。そのまま一気に寄り、体勢を崩しながらも押し出した。

 近年は晩節を汚しまくっている平成の大横綱。この相撲を毎回できれば批判の声もやむのだろうが、悲しいかな、今の白鵬にはその体力と気力がない。15日間戦うためには、ヒジや張り手が必須なのだ。

 ある親方は「この日の速攻相撲は、同じ2敗の朝乃山戦が今場所最後のヤマだと踏んだからでしょう」と、こう話す。

「この日の取組後に発表された14日目の相手は同じく2敗の碧山。前頭13枚目なので本来は横綱の対戦相手に組まれないが、優勝争いのために本割を崩した形です。白鵬はそうなるとわかっていたのでしょうね。碧山とは過去21勝1敗。その1敗も休場による不戦敗とあれば、白鵬にとっては安パイ。千秋楽は鶴竜戦が確実視されており、こちらは勝手知ったる同郷横綱ですから。朝乃山には下手なヒジや張り手が逆効果になると考え、残った気力も体力もすべて注ぎ込んだ速攻に賭けたのではないか」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?