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内田順三前巨人巡回打撃コーチ

1947年9月10日、静岡県生まれ。東海大一高から駒大。13年間の現役生活はヤクルト、日本ハム、広島で主に外野手としてプレー。計950試合出場で打率・252、25本塁打。82年に現役引退、翌83年に指導者に転身。広島、巨人で打撃コーチ、二軍監督などを歴任し、多くのタイトルホルダーを育てた。昨年限りで巡回打撃コーチだった巨人を退団。今季は社会人野球のJR東日本で外部コーチを務める。近著に本誌での連載を加筆、再編集した「打てる、伸びる!逆転の育成法 」(廣済堂出版)がある。

指導者として最大の後悔 広島岩本は名球会級の才能だった

公開日: 更新日:

 打撃統括コーチだった私は、松田元オーナーから直接「岩本を見てやってくれ」と頼まれていた。1年目から二軍のほぼ全試合に4番で起用。最終的に二軍ではリーグ2位となる14本塁打を放った。これは二軍にいる選手ではない――。そう感じた。何とか一軍に行かせようと、私も周囲も躍起になった。しかし、インコースが苦手という弱点が、はっきりしていた。

 10年からは一軍で出場機会がもらえるようになり、ノーステップ打法で14本塁打。大器の片鱗を見せ始めたが、11年に膝を故障し、レギュラー定着の機会を失った。苦手なインコースを意識するあまり、どうしてもかかと体重になってしまう。開きが早く、ボールの見切りも早いから変化球に対応ができない。ボール球に手を出すという悪循環だった。さらにアウトコースを逆方向に飛ばすという長所にも影響が出始めた。

 1打席限定の代打向きではなかっただけに、レギュラーをつかめない選手は出番を失う。緒方孝市監督が就任した15年からは出場機会が激減した。

■足りなかった「再現性」

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