(3)注目されてるビフィズス菌の効用…免疫の暴走を抑えるカギ
善玉菌が産生した成分(乳酸や酢酸など)を別の善玉菌が食べて、また別の成分が産生される、という菌のリレーによって、短鎖脂肪酸などの健康に有用な成分が得られることを前回説明した。
そこで重要な働きをするのが、ビフィズス菌だ。
ビフィズス菌については研究が進み、免疫のバランスを保つなど、ヒトの健康に役立つ効果が多く見いだされている。ビフィズス菌の健康効果について紹介しよう。
まず、どのビフィズス菌にも共通する特徴は、乳酸と酢酸を生み出すことだ。とくに酢酸は、短鎖脂肪酸の中でも免疫によい働きをする「酪酸」を生み出す酪酸菌のエサになる。
こうした菌から菌へのリレーは、食物繊維を取るだけよりも酪酸が増えると期待される。
ビフィズス菌などの善玉菌がすむ腸は、消化器官であると同時に、免疫の最前線の場所でもある。腸の外側、つまり体内に入れるもの(栄養など)と入れないもの(食べ物のカスや死菌などの老廃物、有害物質など)を判断し、分別するためだ。そのため、全体の半分以上の免疫細胞が腸に集まっている。