円安加速で「サナエノミクス」は誰も喜ばず…前門のトランプ大統領、後門の片山さつき財務相で包囲網
高市政権の本格始動と共に一時は史上初の5万円突破に近づいた日経平均株価の高騰は一段落。22日は3日ぶりに反落したが、円相場は1ドル=151円台後半に下落し、高市トレードの円安加速は継続中だ。
金融緩和を志向する高市首相のサナエノミクスにより、日銀の追加利上げは困難との観測が台頭。日米の金利差を意識した円売り・ドル買いは収まる気配がない。
27日にはトランプ米大統領が来日し、翌28日に高市首相は初会談に臨む。首相就任直後の“大一番”に向け、高市首相はGDP比2%への防衛費増額の達成時期を2年も前倒しし、さらなる増額を目指す大盤振る舞いはトランプへの手土産のつもりだろう。しかし円安加速の高市トレードが「トラ」の尾を踏みかねない。経済評論家の斎藤満氏が言う。
「トランプ氏は貿易赤字に直結するドル高を嫌う。3月には円安が『非常な不公平な不利益をもたらす』とし、関税引き上げで対抗すると警告したほど。現状は当時よりも、はるかに円安が進んでいます。ましてや米国にロシア極東『サハリン2』からのLNG輸入停止という難題を迫られる最中。さらに円安を放置すればトランプ氏の感情を逆なでするも同然。円安放置を非関税障壁とみなすトランプ関税のちゃぶ台返しや、くすぶり続ける防衛費のGDP比3.5%引き上げなど、無理な要求を押しつけられても、高市首相の身から出たサビ。文句を言えません」
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