著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

新型コロナウイルス感染拡大“戦争”がもたらした労使の連携

公開日: 更新日:

 144はストライキにより開幕が遅れた1995年と同じ試合数であり、状況が異なるとはいえ根拠のない数字ではない。

 しかも、チームの年俸総額に上限を設けるサラリーキャップ制の導入を巡って選手と経営者が対立し、「百万長者と億万長者の争い」と人々の支持を失った1994年からのストライキと異なり、今回は労使が連携している。一時的にせよ、新型コロナウイルスの感染拡大が「戦争」として捉えられている米国の状況が、経営者と選手の間の壁を取り払ったのである。

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