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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

692日ぶりの勝利 阪神藤浪の変化と進歩を感じた「死球後」

公開日: 更新日:

 で、話を戻すと、その巨人3連戦が終わった途端、次のヤクルト相手に阪神打線が息を吹き返すのも見慣れた光景だ。阪神にとって巨人戦の伝統とは、単に古くからの過剰意識による力みと空回り、つまり弱者の遠吠えの歴史に過ぎないのかもしれない。悲しいが。

 ただ、そんな中でも良いことはあった。なんといっても、悩める藤浪晋太郎が692日ぶりの勝ち星を挙げたことだ。

 21日のヤクルト戦に先発した藤浪は七回途中まで投げて被安打6の4失点だったが、これまで皆無に等しかった味方打線の援護点が6点もあったおかげで救われた。とはいえ、たまたま運が良かっただけという話でもなく、投球内容をよく見てみると、注目すべきポイントが2カ所ある。

 まずは初回、先頭の坂口智隆に今季初となる死球を与えたあと、後続を難なく抑えたところ。次に二回、味方守備の乱れから失点したものの、後続を断ったところ。この死球後と失策後はこれまでの藤浪が大崩れする2大ポイントだったが、そこをいずれも封じたということに意味がある。

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