照ノ富士が朝乃山撃破も…“特例なし”大関復帰はイバラの道

公開日: 更新日:

 全盛期を彷彿させる、豪快な投げを決めた。

 9日、結びの一番で元大関照ノ富士(28)が、大関朝乃山を撃破した。

 この2人、いずれも右四つを得意とする力士。相四つのぶつかり合いはしかし、立ち合いで決着がついた。照ノ富士は下から素早く左上手をとると、即座に右差し。盤石の体勢で攻め、朝乃山を上手投げで土俵に叩きつけた。

 インタビューでは「前向きに、ここから3場所が大事」と話した照ノ富士。インタビュアーにその真意を聞かれると、

「元の地位に戻ってみたいなと。毎日、できることをやっていますんで、(稽古を)信じて土俵に上がっているだけです」

 と答えた。

 かつては「横綱に最も近い大関」と評価されていたが、右ヒザ前十字靱帯断裂の大ケガに続いて、左ヒザも痛めて陥落。一時は序二段にまで落ちるなど、もがき苦しんだ。そこから今場所の小結まで上がったものの、大関復帰のハードルは高い。

 大関は陥落した直後の場所なら、10勝で元の地位に戻れる「特例」がある。貴景勝もこの制度を利用して復帰を果たしたひとりだ。しかし、10勝できなければ復帰手段は通常通り。「三役で3場所33勝」の目安をクリアするしかない。過去、大関特例を利用せずに元の地位に返り咲いたのは、魁傑ただひとりだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較