データ重視 21人以上の打者と対戦させないドジャース理論

公開日: 更新日:

 2チームのようなデータ解析を駆使した野球がいま米球界を席巻しているがゆえに、経験や情による采配にも魅力を感じてしまう。

■青と茶 どちらを信用すればいいのか

 ア・リーグのチャンピオンシップシリーズ、アストロズ対レイズの第4戦。アストロズ2点リードの六回1死一、二塁の守り。マウンド上にはエースのグレインキー。打席に絶好調のアロザレーナを迎えた場面で、ダスティー・ベーカー監督がマウンドに向かった。このシーンを同監督は試合後、こう振り返った。

「(交代させるか迷いながら)マウンドに行った時、キャッチャーからグレインキーは大丈夫だから残してくれと言われ、そのままマウンドに残すことにした。グレインキー本人とは言葉を交わさなかったが、彼の目を見て彼を信じることにしたんだ。以前(ナショナルズの監督時に当時のエースだった)シャーザーを同じように交代させようとマウンドに行ったことがある。その時も彼の目を見たんだ。彼は虹彩異色症という病気で(左右の)瞳の色が青色と茶色に分かれている。どっちの色の瞳を信用すればいいんだと尋ねたら、『ブルーの方だ』と。なので分かったと言ってマウンドに残した。すると後続をしっかり打ち取ってくれた。僕は古い人間なので、そんな時、データや確率などではなく自分が正しいと思うことをする。それは彼らを信頼することだ」

 続投したグレインキーはアロザレーナを三振に打ち取り、無失点でこのピンチを脱出、結果的に勝利投手となった。

(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)

【連載】メジャー2020「データ野球」の内幕

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景