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後藤逸郎ジャーナリスト

1965年生まれ。毎日新聞大阪経済部次長、東京本社特別報道グループ編集委員などを経て現職。著書に「オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側」(文春新書)。

選手村クラスター発生の危険 建物構造もコロナ対策に欠陥

公開日: 更新日:

 IOCと組織委は、感染対策指針「プレーブック」を公表した。選手は入国時とオリンピック村入村3日前、以後は4日ごとに検査する。PCR検査と明記しておらず、検出率が劣る抗原検査の可能性もある。テニスの全豪オープンが選手全員を隔離し、毎日のPCR検査を義務付けた厳格さと比べようもない。

 IOCのバッハ会長は東京大会開催の根拠として、他のスポーツ大会の開催を引き合いに出すが、対策は同程度でなくてもよいというのか。

 選手村(写真)の構造もコロナ対策に大きな欠陥がある。大会後に分譲マンションとなる建物の約3800戸を利用するため、1部屋に複数人の宿泊が基本だ。選手のひとりが感染すれば、同じ部屋の選手は濃厚接触者となり、最悪の場合はクラスターとなる恐れが強い。

 また、食事は4500人収容の24時間運営の大食堂が中心だ。「プレーブック」では、2メートルの距離を取り、同じグループで食事し、食事後に消毒するとしている。日本の飲食店の時短制限と比べ、緩いやり方で感染を防ぐことができるのだろうか。

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