東京五輪「コロナ制御」すでに破綻 海外選手の機中感染は“運頼み”

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■日本の水際対策の“穴”を指摘する以前の問題

 難民選手団は出国時のPCR検査で役員1人が陽性となり、足止めを食ったように、海外の選手団は徹底的に感染対策を取った上で来日している。しかし、チャーター機に乗らない限りは一般客との相乗りは避けられない。本来ならキャンベル選手が言うように、他の乗客と接触する機会を避けるため、スペースを空けて選手団の座席をひとまとめにするなどの対策は不可欠だろう。一般客と席が隣り合わせになるというなら、感染するかしないかはもはや、運頼みではないか。これまで日本の水際対策の穴を指摘する声は多く出ているが、それ以前の段階で感染対策が徹底されていないことは明らかだ。

 19日、IOC(国際オリンピック委員会)はコロナ対策についての会見を開き、独立専門家パネルのマクロスキー博士は「選手村は安全」と断言。大会関係者の陽性者数が58人(19日現在)と増加の一途をたどっているにもかかわらず、「想定より少ない」とした。

 IOCや政府、組織委は事あるごとに「コロナはコントロールできている」と言うが、感染対策の根底が崩れている以上、東京五輪は無事に閉会式を迎えられるとは思えない。

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