メダリストらが立つ五輪表彰台 3D印刷で生み出された「跳躍サイクル」
メダリストらが万感の表情で立つ東京五輪の表彰台。大会公式エンブレムを思わせる藍色に幾何学模様の浮き彫りが印象的な「晴れの舞台」は、洗剤の使い捨て容器などから3Dプリンターを使って生み出された。設計統括を務めたのは、慶応大環境情報学部の田中浩也教授(46)で、デザインはエンブレム制作者の野老朝雄さん(52)。
田中教授らは、加工や染色に向かない廃プラに廃ガラスや顔料を加える工夫を重ね、強度と光沢を出すことに成功。98台分を構成する計約7000枚のパネルを、3Dプリンターを使いわずか20日間で成形した。
目指すのは、資源をより価値あるものに作り替えて社会に戻す次世代リサイクルだ。田中教授はこうした概念を「リープ(跳躍)サイクル」と名付け、「3Dプリンターを使えば実現できると世界に示せた」と実感している。