五輪ホスト国が割に合わない本当の理由…1960年以降はすべて赤字

公開日: 更新日:

 東京五輪の予算は、当初から想像もできないほど膨れ上がったが、これは東京だけの現象ではないらしい。ある研究機関の調査によると、1960年以降の五輪はすべて赤字、平均172%もの予算超過になっているという。それでいて経済効果はほとんどないか、あったとしても開幕前に試算された規模のほんのわずかに過ぎないとの研究結果もある――。

「通常時でさえ五輪のホストになっても元は取れない」との見出しで、こんな趣旨の記事を掲載したのが26日付米紙「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)だ。

 五輪経済に明るいスミス・カレッジのアンドリュー・ジンバリスト教授の発言のいくつかを列挙してみた。

「(予算を大幅にオーバーするのは)当初の予算に入っていない金額が多いから。東京の場合、国立競技場、選手村、メディアセンターの建設費、輸送、通信、おもてなしに必要なインフラ建設費も入ってなかった。五輪のために建てられたインフラは、五輪後に“白い虚像”になるだろう。これまでなかったということは、必要なかったということだから」

IOCは誘致計画書におもてなし支出を含めることを求めている。1万1000人を超すアスリート、コーチ、トレーナーの宿泊や食事、ヘルスケアなどの費用はすべて開催地が負担、おもてなし予算にはバッハ会長やコーツ副会長、その他のIOC幹部が豪華ホテルに宿泊し豪勢な食事をする費用も含まれる」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方