今季巨人FA組総崩れ、オフの補強も大苦戦必至…原監督の酷使恐れ大物投手が疑心暗鬼

公開日: 更新日:

 巨人は26日、野上亮磨(34)が現役を引退すると発表した。今季は9試合に登板し、0勝1敗1セーブ、防御率1.65。5月18日の広島戦で右肩を痛め、リハビリを続けてきたが、実戦復帰できず、引退を決断した。

 西武時代の2017年に自身最多タイの11勝を挙げ、その年のオフにFAで巨人に移籍。19年10月に左アキレス腱断裂の重傷を負ったこともあり、4年間で5勝に終わった。プロ13年間で通算254試合に登板、58勝63敗4セーブ、防御率4.03だった。前日の25日には「FAの先輩」で8年間在籍した大竹寛(38)が引退会見を行った。

 今季はFA入団組が総崩れだった。年俸3億円の5年契約が切れる陽岱鋼(34)は、わずか7試合の出場で打率.143。移籍1年目の梶谷隆幸(33)は5月に左太もも裏を痛めて離脱すると、7月には右手甲に死球を受けて骨折。二軍戦で復帰しようとした9月に今度は腰痛を発症し、腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けることが決まった。度重なる故障に泣かされ、61試合の出場にとどまった。主力の丸佳浩(32)にしても、打撃不振で二軍落ちを経験するなど、打率.265、23本塁打、55打点と苦しんだ。

 投手陣も引退を決めた大竹、野上だけでなく、1年目の井納翔一(35)は先発した3月31日の中日戦で1回4失点と炎上すると、二度と先発の機会は巡ってこなかった。中継ぎに回り、5試合の登板で防御率14.40と首脳陣の期待を大きく裏切った。

原監督の投手起用への恐怖

 今季は借金1の3位に低迷。V逸した年は大型補強を敢行するのがお決まりだ。今オフのFA市場は、投手では大瀬良、九里の広島勢、千賀(ソフトバンク)、又吉、祖父江の中日勢、山崎(DeNA)といった実績のある投手がズラリ。野手では梅野(阪神)、宮崎(DeNA)らが市場に出る可能性がある。さる球界関係者がこう言う。

「中には巨人に興味を示している選手もいる。まず条件が良い。例えば、広島で年俸2億1000万円だった丸は巨人に移籍して4億5000万円になり、5年総額25億5000万円の大型契約を結んだ。昨年は年俸7400万円の梶谷が巨人では2億円ベースの4年8億円。それに引退した後、コーチなどで球団に残れるのも魅力。今の巨人のコーチ陣を見ると、村田、杉内、相川、片岡とFA入団組が多いですから」

 巨人は長距離砲とともに、先発、リリーフを含めた投手が大きな補強ポイントとなっている。

 しかし、中でも他球団の投手の巨人に対する評判はイマイチだという。

「原監督が投手陣を酷使するからです」と前出の関係者がこう続ける。

「9月以降の先発の中4日、中5日制が物議を醸したのはもちろん、実は前半戦の5、6月にも戸郷、サンチェスが中4日で先発していて、『巨人はめちゃくちゃだな』と他球団で話題になった。メジャーから出戻りの山口なんか、後半戦は馬車馬のように投げて、右肘の違和感を発症した後も休まなかった。逆に井納は、たったの1試合しか先発させてもらえなかった。原監督は良いと思えば使いたおすし、ダメだと見限るのも早い。来季も続投が決まったから、権利を行使するかどうか迷っている投手も多いみたい。FA宣言したとしても、かなり慎重にならざるを得ないでしょう」

 巨人はグラウンド外でも苦戦を強いられそうである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?