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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ジョコビッチ「1強時代」の幕開け 2カ月間の休養で完全復活

公開日: 更新日:

■新戦術は来季への狼煙

 ジョコビッチの武器は完璧な守備、左右どちらからも攻め込む体幹バランスだ。そして、今回のメドベージェフ戦では新たな一面を見せた。サーブ&ボレーを多用し、ネットに36回出て27ポイントをはじき出した。全米でメドベージェフに長いラリー戦から崩され、その経験を反映させた新戦術は、来季への狼煙と見ていい。

「ぼくはテニスの歴史が目標とずっと言い続けてきた。すべての記録は塗り替えられることを証明するのが目標だ」

 年内にもデ杯、ツアーファイナルを控えるが、この言葉の先には来年1月の全豪がある。現在、グランドスラム通算優勝回数はフェデラー、ナダルと並ぶ20。過去9回優勝しているゲンのいい全豪で、この記録でも抜け出す意欲だ。

 選手にはそれぞれの背景がある。ナダルの精神力はマジョルカ島の大家族主義に支えられ、フェデラーの優雅さには永世中立国スイスの堅実な中流階級が垣間見え、そしてジョコビッチの不屈は混乱のバルカン半島で鍛えられたものだろう。3強から1強時代へ、34歳の照準は定まった。

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