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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ジョコビッチ「1強時代」の幕開け 2カ月間の休養で完全復活

公開日: 更新日:

 ノバク・ジョコビッチ(34)が、男子テニスのマスターズ最終戦、パリ大会を記録ずくめで制した。準決勝で勝った時点で年間ランキング1位を確定させ、これがピート・サンプラスを抜いて史上トップの通算7度目。決勝で若手の旗頭メドベージェフを逆転で倒した通算37度目のマスターズ制覇は、ナダルを抜いて単独トップのこれも記録更新だった。

 今季は全豪、全仏、ウィンブルドンを総ざらいの48勝6敗で勝率は89%。ただ、史上3人目の年間グランドスラムは達成目前の全米決勝で敗れ、逃した。東京五輪でもメダルを取れず、大記録を逸した反動が心配されたが、2カ月の休養で鮮やかな復活だ。

 家族との時間を過ごし、南仏のアカデミーでみっちり練習。全米で負けたメドベージェフに雪辱したパリ優勝が自信になるのは間違いない。

 メドベージェフ、ズベレフ、チチパス、ルブレフら若手が、フェデラー、ナダルを加えたビッグ3に肉薄したシーズンだった。3強の中で最も若いジョコビッチはこの現状に決意を語る。

「若い連中がすぐそこに来て老いぼれを追い落とそうとしているが、そう簡単にはいかない。我々はまだまだビッグイベントを勝ちに行く」

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