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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ツアー最終戦に大坂なおみも不在…「女王」が「女王」でない現実の受け止め方

公開日: 更新日:

 眞子さまが結婚した。末永くお幸せにとしか言いようがない。眞子さまは父の秋篠宮殿下に続く日本テニス協会の第2代名誉総裁で、結婚を機に妹の佳子さまが名誉総裁に就任した。姉妹のテニス姿を拝見したことはないが、上皇ご夫妻のテニス愛はつとに知られ、テニスと皇室の浅からぬ縁をなぞっている。

 テニスの全日本選手権が兵庫県三木市ビーンズドームで開かれている。コロナ感染対策のための無観客とは言え、以前から観客はほとんどなかった。名誉総裁が天皇杯を授与されることがある。佳子さまの初仕事としては寂しいから、来年にお預けだろうか。

 テニスのオープン化は1968年だが、日本は遅れ、海外選手が頻繁に来日したバブル期の80年代以降、渋々、何となく……いまでこそ協会の主財源の「ジャパンオープン」はかつて全日本選手権を脅かす、協会にとっては目の敵だった。変わるものなのだ。端境期の80年代半ば、全日本選手権に冠スポンサーをつけるという提案に対し、当時の専務理事、藤倉五郎は青筋を立てて意見した。

「畏れ多くも、全日本選手権は天皇杯を頂いているんですよ。その上に安易に冠をつけていいか、よく考えて欲しい」

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