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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

選手会は米連邦調停局の仲裁を拒否…MLB開幕への道のりが依然遠い根拠

公開日: 更新日:

「政府が仲裁に乗り出したものの失敗する」といえば、すぐに思い出されるのが1994年から95年にかけてのストライキだろう。

 当時大統領であったビル・クリントンが労使双方の代表をホワイトハウスに集め、「まずシーズンを開幕し終了後に再度交渉を」と要望したのは、95年2月7日のことだった。

 大統領が個別の労使紛争の調停に乗り出すだけでなく、労使双方の代表者を大統領府に呼び寄せるのは異例の出来事だった。それだけに、膠着状態に陥っていた労使交渉の進展への期待はおのずと高まった。

 だが、中立的な人物に新しい労使協定の内容を決定させるというクリントン案は、経営者側に拒否される。大統領の権威をもってしても解決しなかったことで、経営陣と選手側の対立の根深さが改めて示されたのであった。

 昨年12月に経営者側が施設封鎖(ロックアウト)を行うことで始まった労使対立の舞台となったのは、連邦調停局(FMCS)である。

 州間にわたる労働争議を調停するFMCSは大統領直属の機関で、2002年に起きたロッキード・マーティンのストライキや14年から15年にかけて行われた西岸港湾労働組合と使用者団体である太平洋海事協会との労使交渉を仲介している。

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