新庄監督「7人のタレント」入りの可能性を秘めた日ハム若手野手3人の実力と正体

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今川優馬(25歳・外野手・2年目)

 東海大付属第四高(北海道)時代に甲子園に出場するも当時は補欠。東海大北海道キャンパスを経て、JFE東日本へ。1年目に創部初の都市対抗野球優勝を経験し、2020年ドラフト6位で入団した。

「いつも『何がそんなに楽しいんだ』ってくらいニコニコして人当たりも良いのですが、打撃に関しては頑固なんです」と、球団関係者はこう続ける。

「長打を狙ってか、アッパースイングの独特なフォームでしょう。ドラフト前は『アマチュアで打てても、あれではプロで通用しない』と見る向きもあった。フォームを矯正していたら、使えるようになるのは28、29歳。いくつかの球団はポテンシャルを評価しつつも手を引いたと聞きます。でも本人はフォームに強いこだわりがあるようで。『コレ』と決めたことを貫いたのが今につながっている。おかしなフォームながら、がむしゃらに、誰よりも練習していましたね」

 ポジションは外野。新庄監督はガラガラポンで守備位置を決めたりと選手の可能性を探っているが、今川はキャンプ中に「自分は外野手しかできない。新庄監督のポジションシャッフルに焦りを感じます」と話していた。

 足が速いわけでも、守備が飛び抜けてうまいわけでもない。そんな今川の武器はすでにオープン戦3本塁打のパンチ力と「声」だ。

「自分が打てなくても、その分だけ声を出している。間違いなくチーム一です。二軍では8点ビハインドの九回2死になっても『ここから逆転だ!執念!』と味方を鼓舞していた。雰囲気が明るくなるし、他にない存在感がある。どの首脳陣でも『ベンチにひとりは欲しい』と思うのではないでしょうか」(前出の関係者)

水野達稀(21歳・内野手・1年目)

 新庄監督が繰り返し口にしている「横一線」について、「新人の自分にもチャンスがあると気合が入りました。同じプロ野球選手として先輩や後輩など関係なく、遠慮せずにレギュラーを掴みにいくだけだと思っています」と、奮い立つのがこのドラフト3位ルーキーだ。

 丸亀城西高(香川)3年の夏に甲子園出場を果たし、プロ入りを見据えてJR四国に就職。駅員と社会人野球の二足のわらじを履いた。

 一軍キャンプメンバーに抜擢され、「自信にもつながったし、もっと頑張らないといけないという気持ちも強くなりました。最終的にはシーズンを通してずっと一軍にいたいので、体力も重点的に鍛えたいと思います」と、完走した。

「(171センチと)小柄ながら力があり、1年目からのブレークを球団は期待しています。最大の魅力はアウトコースの際どい球をファウルにできるところ。粘りに粘って、甘いコースに来た球をバチンと叩ける。典型的な安打製造機タイプです。二遊間の守備は発展途上だけど、打てる遊撃手の不在が追い風になっています」(球団OB)

 1年目からポジションを取る可能性は高い。

宮田輝星(24歳・外野手・3年目)

「輝星」は「こうせい」ではなく、「ほくと」と読む。

 福岡大から19年育成ドラフト1位で入団すると、昨年8月に支配下契約を勝ち取った。一番の持ち味は20メートル2.80秒というチーム2番目の俊足と、「質問魔」とも言われるほどの貪欲さだ。

 キャンプで陸上十種競技元日本王者でタレントの武井壮氏(48)が臨時コーチとして講義に来ると、全体練習後に個別質問。そばで順番待ちをしていた清宮が少しうんざりした表情を見せるくらい、武井氏を離さなかった。別の日に5年連続盗塁王の赤星憲広氏(45)が指導に訪れた際も、五十幡や細川とともに質問攻め。赤星氏が「気付いたらこんな時間になっていました」と苦笑いするほどだった。

「足だけで十分に戦力になるし、肩が強くて守備もうまい。スイッチヒッターとして左はまだ物足りないけど、右はパワーがついてきています。昨年からグンと良くなっているのは間違いありません」とは球団関係者だ。

 故障がちな正外野手候補の五十幡を尻目に、虎視眈々とチャンスをうかがう。

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