森保Jがブラジルに0‐1は善戦にあらず…圧倒的大差から見えた「使える選手」と致命的病巣

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■「死の組」のW杯本番で使える選手

 世界ランク1位のカナリア軍団に防戦一方だったが、それでも「W杯本大会で世界を相手に戦える日本代表選手はいる」と、ドイツサッカー協会公認S級コーチの鈴木良平氏がこう続ける。

「1トップで先発したFW古橋亨梧は、武器であるスピードを上手に使いながらシュートに持ち込める。W杯予選で絶好調だった右サイドMFの伊東純也は、持ち味であるサイドからの突破力に磨きがかかり、自らシュートを打っていく積極性も光ります。アンカーの位置で存在感を見せた遠藤航は、得意のボール奪取をブラジル選手相手に何度も成功させ、ドイツのデュエル王であることを証明した。後半から登場したFW鎌田大地のストロングポイントは、試合の流れの中でボールを保持した時、チームメートの誰にどんなパスを出せば効果的か、適切な判断を瞬時に下せるところ。やはり途中出場の三笘薫は独特のリズムからドリブル突破を仕掛け、左右両足でゴールを決め切る決定力も高い。この5人は国際レベルにあり、カタールW杯本大会で対戦するドイツ、スペインに力を発揮できるはず」

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■相も変らぬ攻撃陣の致命的病巣

 英プレミアの名門アーセナルで活躍するDF冨安健洋をケガで欠いたDF陣は、何度もピンチを迎えながら1失点に抑えた。メキシコ五輪得点王の釜本邦茂氏は「前線からの守備がはまり、中盤の3選手と4DFとの守備的な連係も破綻が少なかった。チーム全体の守備は、まずまずだったと言える」と及第点だ。

 しかし、ブラジルのシュート22本に対して日本は5本にとどまり、枠内シュートにいたっては相手の5本に対して日本は0本。「攻撃の面では大いに不満の残る内容だった」と釜本氏が続ける。

「強豪を相手にゴールを奪うには、やはりカウンターを仕掛けて相手ゴールに迫っていくことが重要となる。どのエリアでボールを奪い、どの選手がスピードに乗って攻め上がっていき、手数をかけないでシュートに持ち込むにはどうすればいいのか、ある程度の<カウンター攻撃の形>がない限り、なかなかゴールには結びつかない。これは戦術の問題でもあり、チームとして徹底すべきことです。もう一点、日本代表に足りないのは<個々の選手が勇気を振り絞ってチャレンジ>することだ。右サイドの伊東や後半途中から出てきた左サイドの三笘からは感じられたが、リスクを背負っても個人技を仕掛けてチャンスを創出してやる! という気概がなければ、得点は生まれない」

真剣勝負のドイツなら「1失点では済まない」

■ドイツは最強カナリア軍団よりさらに上を行く

 森保ジャパンはカタールW杯の初戦でドイツ代表と対戦する。ここで勝ち点0に終わると3戦目に強豪スペイン戦が控えている分、日本代表の決勝トーナメント進出に赤信号が点灯する。

 この日、ブラジルに惨敗しなかったことで「カタールでもイケる」という雰囲気がスポーツメディアの中にも漂っているが、前出の鈴木氏がこう言う。

「前提としてブラジルにはブラジルならではの強さがあり、ドイツにはドイツならではの強さがある。そして日本が苦手とするのは、やはりドイツ的な強さ。ドイツ的強さとは何か? ブラジルよりボールを回したり、テクニカルなプレーは少ないが、ドイツ代表選手はフィジカルの強さとスピードを兼ね備えた選手が多く、複数の選手が連係しながら相手ゴールに向かっていく際の迫力も凄まじいものがある。この日の日本代表が、真剣勝負のドイツ代表と対戦したら、とても1失点で済むとは思えません」

 レアル・マドリードの主力として欧州CL決勝(5月28日)で決勝点を決めたブラジル代表FWビニシウス(21)が、国立競技場の観客6万3638人を沸かせた。

 主戦場の左サイドMFで先発して華麗な股抜きを披露するなど、随所に若きスター選手の風格を見せつけた。元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏が言う。

「欧州CLで決勝まで戦ったこともあって疲れもあったのでしょう。コンディション的に万全ではなく後半18分にお役御免となりましたが、それでもスピーディーな突破、テクニカルなプレーのレベルの高さ、視野の広さ……これが世界クラスとの印象を残しました」

■元ライバルにはるか先を行かれる久保建英の今後

 ビニシウスはレアルとの契約を2028年まで延長し、移籍の際の契約解除金が約472億円から約1350億円に増額されたと地元メディアに報じられ、同時に年俸も4億円から14億円に上がったともっぱらだ。

 対照的なのが、同じレアルに所属している久保建英(21)である。

「ほんの2年前までビニシウスと久保は、レアルの若手選手の間では同格のライバルと見られていた。しかし、久保はスペイン1部で降格争いを演じたマジョルカでレギュラーの座も奪えず、この日のブラジル戦で最後までベンチを温めた日本代表でも居場所を見つけられずにいる。W杯本大会でも出番があるかどうか。ビニシウスとの対比でより久保の厳しい現状が際立ってしまいます」(六川氏)

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