番長率いるDeNAがヤクルトに4差急接近! 真夏の快進撃の舞台裏と「1997年のトラウマ」

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三浦監督の来季続投は決定的

 就任2年目の三浦監督にも変化がみられる。球界関係者が言う。

「23日の阪神戦では、今季4戦3敗、通算でも4勝14敗と苦戦する天敵の青柳に対し、打率3割をマークするレギュラーの宮崎に『今日は途中から行くぞ』と告げてベンチスタートとし、スタメンに7人の左打者を並べた。24日の同戦では0-0の七回2死一、二塁で、好投していた浜口に代打関根を送り、その関根が内野安打を放つと、続く桑原が満塁弾。ベンチワークで勝利を手繰り寄せた。就任当初から選手へ遠慮するところがあったが、ここにきて冷静かつ非情に徹しているようです」

 そんな三浦監督を球団も評価しているという。

「今年は2年契約の最終年。昨季は最下位に沈んだが、コロナで助っ人選手が軒並み来日できなかったことが原因。ビザ取得などで球団の不手際もあり、昨季の低迷はあくまでフロントの責任と認識されている。そもそも南場オーナーは、横浜一筋の三浦監督に一年でも長く指揮を執ってもらいたい。三浦監督にとっても昨季はケガの功名というか、1年間かけて戦力の見極めに時間を費やすことができたとも言える。今季の躍進で来季続投は決定的。やりたい野球に専念できる状況で、これも好調の要因になっている」(前出のOB)

 そんな中、逃げるヤクルトDeNAが猛追する今季のセは、大矢明彦監督時代の1997年に似ているとの指摘がある。

 当時の横浜は7月に13勝5敗、8月には20勝6敗と大きく勝ち越し、野村克也監督率いる首位ヤクルトに最大14ゲーム差から2.5差まで詰め寄った。評論家の山崎裕之氏は「今季の直接対決は9試合残っており、競り合いは続くかもしれないが、それでもいくらかヤクルトが有利でしょう」と、こう続ける。

「理由は月並みな言い方になるが、経験の差。DeNAはイケイケで走り続け、今が目いっぱいの状態。こういうとき、選手は無我夢中でプレッシャーなんて感じないものです。特に投手力はヤクルトを上回るといっていい。しかし、いざ『ヤクルトを上回るには10勝5敗が必要』などと具体的な数字が明確になった時に、DeNAのようなチームは途端に選手がガチガチになることがしばしばある。私もロッテ西武で優勝を経験させてもらったが、昨季までの7年間で2度優勝しているヤクルトと違い、DeNAの優勝は98年が最後。優勝経験がない選手ばかりのDeNAに、その時初めてハンディが生まれると思う」

■97年はヤクルト石井一久にノーノー献上

 97年は3.5差で迎えた9月2日のハマスタでの直接対決で、ヤクルトの石井一久(現楽天監督)にノーヒットノーランを献上。横浜はこれで意気消沈したのか、9月は9勝11敗、10月は3勝6敗と息切れ。最終的に11ゲーム差の2位に終わった。

 前出の山崎氏は、今季、DeNAが逆転優勝を果たすには、投手陣がカギを握るとみている。

「9月は1カ月で27試合という過酷日程。今までと同じローテを組むことは難しく、ベンチのやりくりが問われる。対するヤクルトは三冠王を走る村上の存在もさることながら、一時のコロナ禍も脱し、調子が上向きつつある。昨年日本一のプライドもある。DeNAには最後の最後まであきらめず、戦ってほしい」

 DeNAにとって26日からのヤクルト3連戦が大きなヤマ場になる。

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