山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・近本光司に期待したい! ヤクルト村上宗隆の“五冠阻止”なるか

公開日: 更新日:

 しかし、残る最多安打だけは現時点で村上と近本が141安打でトップに並んでいる。これも村上が獲得したら先述の五冠王になるわけだが、虎党の私としてはそれをなんとか近本に阻止してもらいたい。近本は昨年の同タイトルホルダーでもあるため、今年も獲得したら2年連続だ。しかも盗塁王との2冠なら、それもまた大偉業である。

■最多回数更新も

 ただ、少し気持ち悪いのは、この最多安打と最高出塁率の2部門のタイトルには、やや地味な印象があるところだ。過去を振り返っても、近年の阪神では鳥谷敬が2011年に最高出塁率(.395)のタイトルを獲得しているのだが、それでも鳥谷にはなんとなく打撃タイトルとは無縁だったイメージがある。また、無冠の帝王といえば清原和博が有名だが、実際は1990年と92年に最高出塁率、88年に当時は正式タイトルだった最多勝利打点を獲得している。清原は無冠ではなかったのだ。

 一方、今季の近本が村上と争っている最多安打は、かのイチローが当時としては史上初であった年間200安打を記録した94年から制定されたタイトルで、これまで阪神ではマット・マートンが3回獲得している(10、11、13年)。この3回というのはアレックス・ラミレスと並んでセ・リーグ最多回数(パはイチローの5回)であり、今季の近本が2回目のタイトル獲得となったら、彼の年齢的にいずれリーグ最多回数を更新する可能性だってある。

 そんな近本の未来展望も含めて、もっと最多安打のタイトルに注目していきたい。もちろん、最高出塁率もしかりだ。

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