著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

東北の「ええべ」には理由がある 全国区になれば郷里を出て二度と戻らない

公開日: 更新日:

 85年夏、KKこと桑田&清原のPL黄金時代、ついに準々決勝まで勝ち進んだ。

 マウンドにいたのは佐々木主浩、後の「大魔神」だ。相手は創立3年目、滋賀の甲西という無名校。4-4で迎えた九回表に東北は1点を奪った。ところがその裏、右へ右へと連打を浴びて逆転サヨナラ負け。最終回に継投策を言う竹田に、投げたいと言った佐々木が打たれた。

 ナインは泣きじゃくって監督に抱きついた。次はPL学園と決まっていた。これが竹田にとって最後の大会とも知っていた。竹田は、柔和にうなずきながら選手全員の肩を叩き、ねぎらった。そして、ひと月後、仙台っぽは「たまげた」──竹田の仙台育英への移籍に腰も抜かさんばかり驚いた。白河のこちら側で考えられない〈裏切り〉こそ「ええべ」を言わない関西人の、これまでとは違う〈甲子園〉への道のりだった。 =つづく

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状