クイーンズ駅伝5度優勝の元監督が提言 「マラソンと駅伝選手はできるなら分けるべき」

公開日: 更新日:

「私は創部と入社に際し、当時の塚本(幸一)社長から、全国都道府県対抗女子駅伝(全国駅伝)の京都府代表を出すことと、京都府の優勝をと命じられていたが、実業団駅伝のことは一切言われなかった。しかし、全国駅伝に連勝したことで、実業団駅伝でも優勝しろと言われた。実業団駅伝で優勝できたのは、当時、選手たちがトラックシーズン中のトレーニングや全国駅伝代表に向けての練習を踏まえ、トラック長距離種目で次々と記録を伸ばしてきた結果であり、駅伝に特化したトレーニングの結果ではありません」

 さらに藤田氏はつづける。

「今は駅伝に勝つために陸上部を立ち上げる企業もあると聞くが、例えば、来年1月(29日)の大阪国際マラソンに出場する選手は、あと2カ月しかない。今日のレースに出て、さらに大阪の2週間前にある全国駅伝に出る選手は大阪国際に出る場合、マラソントレーニングは完璧にはできない。全国駅伝に出れば、東京(3月5日)や名古屋ウィメンズ(3月12日)までも2カ月ない。実業団も全国駅伝も最長は約10キロです。約42キロのマラソンとは練習内容が異なりますから同じく調整は難しいのです。私の考えでは、万全な状態でマラソンに出すには最低でも3カ月は欲しい。実業団駅伝には前回大会の上位8チーム以外は予選会もある。企業が抱えられる陸上部員には限界がある。それを承知でいうが、マラソンで世界選手権や五輪を狙える選手は、ロードシーズンでも駅伝には出さず、マラソン練習だけに特化させるべきです」

 箱根駅伝を走ったある実業団ランナーは「駅伝の練習ばかりでマラソンの練習ができない」とボヤいていたが、駅伝とマラソンとの両立はやっぱり厳しいのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人vs阪神またもドラフト場外戦勃発!1巡目指名8年で5回モロかぶり…中日とヤクルトも参戦か

  2. 2

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」

  3. 3

    ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    前橋市長の「ラブホ通い詰め」だけじゃない…有名女優らもキャッチされた格安ラブホ不倫劇の舞台裏

  2. 7

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  3. 8

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 9

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  5. 10

    杉田かおるの窮地を陰から支えていた舘ひろしの男気