2023年「投打のドラ1候補」掛け値なしの評価 “流しのブルペン捕手”が徹底分析

公開日: 更新日:

バツグンの排気量かつ独特のクイック投法で打者のタイミングを外す

「今年のドラフトは逸材が多いですね。現時点で上位指名のくくりだと、30人近くの名前が出てきます。昨年の同時期は4~5人くらいしか見当たりませんでしたから」

 こう話すのは、アマ球界に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏。今年のドラフトは近年まれに見る豊作ともっぱらだ。そんな中、安倍氏に投手、野手からそれぞれ1人ずつ、ドラフト1位候補を評価してもらった。

  ◇   ◇   ◇

【投手】西舘勇陽(中央大/右投げ右打ち)

 花巻東(岩手)時代は3度、甲子園に出場。中大では1年秋からベンチ入りし、昨秋リーグ戦では主戦投手として7試合に先発、50回3分の2を投げ、4勝1敗、防御率1.60、49奪三振をマークした。最速155キロを誇る剛腕投手だ。

「一番の長所はエンジン、排気量が大きいところです。先発でも救援でも、スタートから150キロ前半の直球を投げ続けられる。変化球はカットボール、チェンジアップ、スプリットあたりが持ち球で、中でも140キロ台の高速カットボールが優れています。フォームも独特。走者の有無に関係なく、セットポジションからクイックのリズムで投げるから、打者は差し込まれがちになる。昨秋、この投げ方がハマり、投球に安定感が出てきました」

 3年秋に成長を遂げたことで、プロの注目度はさらに上がった。

「投球フォームがハマったことで、普段から余裕を持って投げられるようになったのでしょう。球がひっかかったり、浮くことが少なくなりました。制球についても、両サイドに狙ってきちんと投げられる確率が上がってきた。この先、110キロ台のカーブやチェンジアップなど、遅い球を身につけ、より投球に緩急をつけられるようになれば、さらに素晴らしい投手になると思います。今は直球とカットボールのコンビネーションで詰まらせたり、振り遅れを誘ったりする投球スタイル。直球と変化球の差は最大で約20キロほどですから、緩急の幅を40キロ程度まで広げることができれば、より一層、直球やカットボールが生きるはずです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  1. 6

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  2. 7

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  3. 8

    ポストシーズンの分配金が示す光と陰…一般職員の年収は約5万ドルで平均未満、“やりがい搾取”の一面も

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    《門田博光の巻》「打撃の求道者」は練習方法もケタ外れだった…僕が地獄を見た“10分”の要求

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁