著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

同じ薬物問題なのに…米野球殿堂入り ボンズやクレメンスがNGでオルティスがOKのワケ

公開日: 更新日:

 2023年の野球殿堂にはフィリーズなど4球団に在籍したスコット・ローレンが選ばれた。資格取得から6年目での栄誉だ。三塁手としては歴代4位となる8回のゴールドグラブ賞を受賞したローレンは、好守好打の名選手として活躍した。

 ブルックス・ロビンソンとマイク・シュミットという、いずれも球史に残る名三塁手が揃って「守備だけなら自分より上」と評価するのがローレンだっただけに、今回の殿堂入りによって名実ともに大選手の仲間入りを果たしたことになる。

 大リーグに10年以上在籍し、引退後5年を経たうえで適性審査委員会の審査を通過すれば、殿堂入りの候補者の資格が発生する。しかし、得票率が5%未満の場合は翌年以降の資格を喪失するから、殿堂に入るための道のりは遠い。

 しかも、現在は薬物の不正使用の過去を持つ選手は候補者となっても票数が伸びず、落選している。バリー・ボンズやロジャー・クレメンスら薬物問題を抱えていた候補者は、22年を最後に全米野球記者協会(BBWAA)による投票の対象から外れてしまった。

 マーク・マグワイア、サミー・ソーサら実績のみなら殿堂入りしておかしくない者も選から漏れているのは、ひとえに薬物問題のためである。

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