「押し相撲は相手が引くまで押す」大栄翔の引かない16番、富士桜の信念を思い出す

公開日: 更新日:

 照ノ富士貴景勝の休場で横綱・大関不在となった春場所は、14日目まで2敗の小結大栄翔と3敗の関脇霧馬山が千秋楽に優勝を争い、霧馬山が本割、優勝決定戦と連勝して初優勝した。

 2番とも大栄翔が立ち合いから押し込み、霧馬山が土俵際で右から突き落とした。霧馬山の身のこなしや相撲勘が生んだ逆転優勝だが、近年見慣れた決まり方の典型で、もっと攻防を見たかったファンも多いだろう。

 大栄翔は「土俵際の甘さが自分の弱いところ」と率直に話した。頭で当たれなかった分、相手に伝わる力がもう一息足りなかった。だが、決定戦を含む今場所の16番で一度も引かなかったのは、見ていて気持ちがよかった。大栄翔自身も相撲内容は自信になったようだ。

 平幕で初優勝した2年前の初場所は、13勝のうち、はたき込みの白星が2番、引き技で相手を呼び込んでしまって辛くも逆転した相撲も1番あった。今場所は土俵際で回り込んで逆転した突き落としや、ピンチで体を入れ替えるいなしはあっても、はたく場面はなかった。下から力強く押し上げる突き押しも増えた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方